ロンドン塔名物の護衛兵、500年の歴史で初の失業の危機に

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鮮やかな赤い制服が印象的なロンドン塔の護衛兵が、リストラの波に直面している/Leon Neal/Getty Images

鮮やかな赤い制服が印象的なロンドン塔の護衛兵が、リストラの波に直面している/Leon Neal/Getty Images

(CNN) 英ロンドンの観光名所、ロンドン塔で勤務する護衛兵「ヨーマン・ウォーダーズ」が500年の歴史の中で初めて失業の危機に直面している。新型コロナウイルスの感染防止策に伴う封鎖措置で打撃を受けたロンドン塔が、コスト削減に動いているためだ。

赤い制服と「ビーフイーター」の通称で知られるロンドン塔の護衛兵は現在37人。塔を管轄するヒストリック・ロイヤル・パレシーズ(HRP)は声明で、コスト削減の一環としてこのうちの数人を解雇する方針を示した。

HRP責任者のジョン・バーンズ氏は、同組織の収入の8割が施設への入場者によってもたらされると説明。新型コロナ対策で財務が「壊滅的な打撃」を受けたと明かした。

そのうえで、あらゆる手段を講じたものの運営を長期的に維持するには十分ではなく、人件費を削る以外に選択肢がなくなったと述べた。

新型コロナ対策としての都市封鎖期間中は、ロンドン塔の門も閉ざされていた/Leon Neal/Getty Images/Leon Neal/Getty Images
新型コロナ対策としての都市封鎖期間中は、ロンドン塔の門も閉ざされていた/Leon Neal/Getty Images/Leon Neal/Getty Images

HRPは声明で、護衛兵向けに先月導入した希望退職制度を先週締め切ったと発表。申請者の数は示さなかったが、今後は強制力のある人員削減に踏み切る公算が大きいとした。

削減対象となる護衛兵については、塔の外での勤務へスムーズに移行できるよう措置を講じるとともに、解雇予告期間も確保するという。

護衛兵はロンドン塔の施設内に居住し、観光客向けに塔の案内係を務める。ロンドン塔自体は900年以上の歴史を誇る。

英王室のウェブサイトによるとこれらの護衛兵は、バラ戦争中に行われた1485年のボズワースの戦いの後、ヘンリー7世の命により設立された。現存する最古の英国軍兵士であり、英王室の護衛としても最も長い歴史を持つ。

ヨーマン・ウォーダーの一員となるには少なくとも22年の軍歴が必要。階級は准尉か上級下士官で、善行章などの勲章を受けていることも条件となる。

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