背が高すぎた10隻のフェリー、橋の通過スレスレに 豪シドニー
(CNN) オーストラリアの最大都市シドニーは、市が発注した新しい観光フェリー10隻について、背が高すぎて一部の橋の下を通過する際に問題が生じることを確認した。こうした橋の下を通過する際は、最上階のデッキの乗客が避難するか、かがんで身を守る姿勢を取らなければならない。
新しいフェリーはシンガポールとインドネシアで建造され、年内にシドニー港で就航予定。最上階の観覧デッキからは、シドニーの街が一望できるというのが売りだった。
しかしパラマッタ川に架かる2つの橋の下を通過する際は、高さがすれすれになることから、乗客は航海中、2度にわたって下の階への移動を強いられる。
フェリーは運輸会社のトランスデブが運航し、乗客を乗せてシドニー湾や周辺地域をめぐるクルーズを毎日実施する。
この発注をめぐってニューサウスウェールズ州の野党、労働党の議員は州運輸相に矛先を向け、外国で製造された「既製品の」フェリーを調達し、市の設計に合わせることを怠ったとして批判した。
「利用客は目前に迫ってくる橋を避けるため、最上階のデッキから避難したり、身をかがめたりしなければならない」。影の運輸相はCNN系列局9ニュースの取材に対してそう訴えている。
一方、運輸当局は、フェリーの高さに問題があることは認識していたが、それでも発注することにしたと主張。2階建てのデッキがあるフェリーは、どんなものであれ、問題の2つの橋にはうまく合わないと説明している。
新しいフェリーをめぐっては、9ニュースが数日前に、一部でアスベストが検出されたと伝えていた。
シドニー湾の遊覧フェリーは観光客に人気がある。しかしこの数カ月は新型コロナウイルスの影響で、観光客は少なくなっていた。