中国が国境再開 中国人旅行者がまず向かう先は?
僅差(きんさ)の2位は日本で、日本政府観光局(JNTO)の観光統計データによると、19年に訪日した中国人旅行者は950万人だった。そして以下、ベトナムが580万人、韓国が約550万人、シンガポールが360万人と続いた。
パンデミック前に人気があった渡航先は、中国人が海外旅行を再開すれば再び人気になる可能性は高く、中国の旅行業界とドラゴントレイルは、香港やマカオ、東南アジア、東アジアの渡航先が間違いなく最初に回復すると見ている、とパルリスクック氏は言う。
「これらの渡航先は中国に最も近い上に、今のところ航空便の回復も最も早く、コロナ後の最初の海外旅行先として最も手頃で安全と見られる可能性が高い」(パルリスクック氏)
新たなホットスポットや体験
アルト氏によると、最近、中国人旅行者の間で、珍しい渡航先の発見に対する関心が高まっているという。
トリップドットコムのメディア・エグゼクティブコミュニケーション部門の責任者、ウェンディ・ミン氏はその好例だ。
コロナ前は毎年5カ国ずつ旅行先の新規開拓をしていたというミン氏。23年はキプロス、オマーン、イラク、ルワンダ、マダガスカル、ナミビアを探索する予定だという。
最近、ミン氏のようにあまり旅行者が訪れたことのない場所を探索したいと考える熟練旅行者は増えている。
例えばアルト氏は、アルバニアやジョージアのような国々に興味があるという。
アルバニアは、パンデミック前は、中国人旅行者が注目し始めたばかりだった。数世紀前に作られた村々や本物の田舎の環境があるアルバニアは、経験豊かな旅行者の興味を引くとアルト氏は指摘する。
一方、ジョージアの魅力は、首都トビリシでの都会の冒険、山でのスキー、黒海に面したビーチ、古代建築など、多種多用な体験が可能な点だ。
アルト氏は「この2カ国はまだあまり知られていない」とした上で、次のように続けた。「パリはもはや魅力が薄れている。もし友人らにアルバニアに行ったと伝えたら、彼らは、あなたは旅行の趣味が良く、冒険心がある非常に特別な存在だと考えるだろう」
旅行スタイルの変化
トリップドットコム・グループによると、中国人旅行者は最近、大規模なツアーよりも少人数のグループ旅行や個人旅行に引かれ、また持続可能性にも関心を持っているという。