海外旅行に行かない日本人がこれほど多い理由とは?
日本は数十年ぶりの円安に加え、労働者の多くは30年間、昇給がない状態にある。
可処分所得が減り、家で過ごしたり近い場所でいいと思う若者は増えているのかもしれない。
鳥海氏によれば、若者は年配世代に比べてあまりお金がないので海外に行くことが少なく、海外旅行よりオンライン娯楽やスマホゲームの方が楽しいと思う若者も多い。一方、高齢者はコロナが落ち着けばまた海外へ行きたいという人が増える見通しだ。
中村氏も、以前から海外旅行が好きだった人はチャンスができ次第、海外に出かけようとするだろうと話し、今、待ちきれずに海外に出かけているのはそうした人たちだと指摘する。
国際観光振興機構の最新統計によると、2022年の日本人海外旅行者数は、19年の2000万人に比べて86.2%減の約270万人となった。
かつて安いからというだけで出かけていた人や、特に旅行好きではなかった人たちが今、旅行に出かけなくなったと鳥海氏は話している。