米で髄膜炎感染拡大、4人死亡 メーカーがステロイド薬自主回収
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は3日、米国内の5州で26人が非伝染性の真菌性髄膜炎を発症し、4人が死亡したと発表した。
当局は2日の時点で、テネシー州でさらに5人の患者が確認されたと発表していた。同州の患者は18人。CDCによると、ほかにバージニア州で3人、フロリダとメリーランドの両州で各2人、ノースカロライナ州で1人が発症し、テネシー州で2人、バージニアとメリーランドの両州で各1人が死亡した。
発症者は全員が、脊髄へのステロイド投与を受けたことがあるという。
テネシー州の衛生当局によると、同州の患者は49~89歳で、2日までに11人が入院した。原因は、痛みや浮腫の治療に使われるステロイド薬「酢酸メチルプレドニゾロン」にあるのではないかとの見方が強まっているという。
米食品医薬品局(FDA)によると、この薬品を製造したメーカーはニューイングランド・コンパウンディングセンター(NECC)で、同社は酢酸メチルプレドニゾロン薬3ロットについて自主回収を発表している。テネシー州ではこの薬品を使っていた病院のうち1カ所が9月20日から一時閉鎖されている。
髄膜炎の発症までには最大で28日の潜伏期間があることから、患者はさらに増える可能性がある。
原因についてはまだ完全に特定されたわけではなく、当局は麻酔剤や消毒剤が感染を引き起こした可能性についても調べているという。
髄膜炎を発症した患者は、激しい頭痛や吐き気、めまい、発熱などの症状に見舞われる。言葉がもつれたり、歩行がふらついたり、尿が出にくくなるなどの症状が出ることもある。