米原子力規制委、原発周辺住民の発がんリスク調査へ 20年ぶり
調査には全米科学アカデミーが協力し、まず原発6カ所と核燃料施設1カ所で今後数カ月以内に、発がんリスクに関する試験的な調査を実施。その結果を受けて、全米に104カ所ある商用原発に調査対象を拡大する見通しだという。試験的な調査は2~3年で完了し、約200万ドルの予算を見込む。
米国立がん研究所の91年の調査では、62カ所の核施設周辺に住む107郡の住民の発がんリスクを調べ、それ以外の郡の住民と比較した。
その結果、郡によっては特定のがんを発症する比率が高いこともあれば、低いこともあったものの、核施設の存在と関連付けられるような差は見当たらず、核施設周辺でがんによる死亡の一般的なリスクが高まることはないと結論付けていた。
今回の調査実施について原子力エネルギー協会(NEI)は、疫学調査は膨大な資源を必要とするにもかかわらず、潜在的リスクについての科学的理解を深めるような結果はほとんど期待できないと述べ、反対を表明している。