米国内の死者30人に、停電800万世帯 サンディの被害拡大
(CNN) 米ニューヨーク市内の地下鉄トンネルに海水が流れ込み、ニュージャージー州では何軒もの住宅が基礎からすくわれハイウエー上にまで流された。各地で猛烈な風が送電設備を破壊し、樹木をなぎ倒した。29日に米東海岸に上陸した温帯低気圧「サンディ」は甚大な被害をもたらし、米国内の死者は少なくとも30人に上っている。
このうち10人はニューヨーク市内の死者。ノースカロライナ州では29日夜、倒木が車を直撃し、男性1人が死亡した。カナダでも死者1人が報告されている。
東部15州と首都ワシントンで800万世帯近くが停電し、各地の避難所で何千人もの住民が不安な夜を過ごした。
オバマ大統領は29日、ニューヨーク、ニュージャージー両州に大規模災害を宣言した。ニューヨーク州のクオモ知事は「壊滅的、歴史的な被害と言っても過言ではない」と話す。ニューヨーク市クイーンズ区で発生した火災では、住宅80棟以上が焼失した。ブルームバーグ市長によると、同市の人口約100万人のうち4分の3近くが停電に見舞われている。
ニューヨークの空港も被害を受けた。クオモ知事によれば、ジョン・F・ケネディ国際空港は31日に再開の見通しだが、ラガーディア国際空港は復旧までに時間がかかるという。