「たばこ会社は消費者を欺いた」、告知掲載を命じる判決 米
(CNN) 米政府がフィリップモリスなどのたばこ会社を相手取って起こしている裁判で、米連邦地裁は27日、たばこ会社に対して、喫煙の危険性について長年にわたり米国の消費者を欺いてきたことを広告やラベルの警告表示を通じて告知するよう命じた。
判決の中でグラディス・ケスラー裁判官は、「(たばこ会社が)受動喫煙の問題について過去に公衆の判断を誤らせ、この問題について一致した科学的見解があったという事実を周知させることにより、被告が今後、そのような統一見解はないと論じようとする可能性は少なくなるだろう」と指摘した。
米国ではほかにも、たばこの広告規制などを目的として米政府や州が起こした訴訟が20年前から続けられている。
たばこ会社が上訴するかは現時点では不明。
ケスラー裁判官は6年前にたばこ会社の責任を認め、警告表示などを命じる判決を言い渡したが、表示の文言をめぐって裁判が続いていた。
27日の判決では警告表示の内容について、米司法省の提案に基づいて「喫煙は中毒性が高く、たばこに含まれるニコチンは中毒性のある薬品です」「喫煙すると、ニコチンが脳を変えてしまい、禁煙が難しくなります」「喫煙によって、毎日平均で1200人の米国人が死亡しています」などの文言の掲載を命じた。
このほかに、受動喫煙の危険性についての警告や、たばこ会社が宣伝する「低タール」「マイルド」などの誤った認識を正すことも命じている。