サウジ王子の妻、米国で訴追 使用人監禁の疑い
ロサンゼルス(CNN) 米カリフォルニア州に滞在中のサウジアラビア王子の妻が、ケニア人の使用人を本人の意思に反して自宅に監禁して働かせた疑いで逮捕・訴追された。
訴追されたのはメシャエル・アライバン容疑者(42)で、容疑者はサウジ王子の妻の1人だという。
アライバン容疑者は現在、カリフォルニア州オレンジ郡の拘置所に収容されており、同地の裁判所で罪状認否手続きが行われている。有罪になった場合、最長で禁錮12年の刑が言い渡される可能性がある。
警察によれば、使用人の女性(30)は9日、アライバン容疑者の住むマンションからの脱出に成功し、通りかかったバスに助けを求めたという。その後通行人の助けを借りて警察に通報した。
ケニア人女性は昨年3月、サウジのアライバン容疑者の家族に使用人として雇われた。雇用条件は1日8時間、週5日労働で月給1600ドル(現在のレートで約16万円)というものだった。だがサウジに到着後、女性のパスポートは取り上げられ、1日16時間、週に7日働かされて月給は220ドルしか支払われなかったという。
警察によれば、アライバン容疑者ら家族は5月に米国に入国。ケニア人の使用人の女性と、同様の契約で雇われた4人のフィリピン人女性も一緒だった。
ケニア人女性の通報を受けた警察や国土安全保障省の捜査官がアライバン容疑者のマンションを捜索したところ、4人のフィリピン人女性を発見。ケニア人女性を含めた全員が健康で、肉体的な虐待を受けていた形跡はないという。
容疑者の弁護士は、肉体的な虐待はないとする警察の報告書に言及し、「本件は労働契約上の争いに過ぎない」と主張している。