北朝鮮産覚せい剤の密売人5人を起訴 米当局
ニューヨーク(CNN) 米検察は20日、北朝鮮産の覚せい剤(メタンフェタミン)100キログラムを米国に持ち込もうとした組織の関係者として、5人の外国人の男を起訴したと発表した。
5人の内訳は、英国人2人に、中国人とフィリピン人、そしてスロバキア人と見られるタイ在住者。5人は以前から、米麻薬取締局(DEA)の捜査対象となっており、9月にタイで身柄を拘束されていたが、その後タイを国外退去となっていた。
レオンハートDEA局長は「この捜査を通し、世界で取引されるメタンフェタミンの重要な供給源として北朝鮮が台頭していることがはっきりした」と述べた。
DEAのおとり捜査を通じて得られた情報は、北朝鮮が薬物密輸を支援もしくは黙認しているのではというかつてからの米政府の懸念を裏付けるものだった。
おとり捜査官に対し被告の1人は、以前は8つの組織が北朝鮮産の覚せい剤取引に関与していたが、現在では「北朝鮮から覚せい剤を持ち込めるのは自分たちの組織だけだ」と語ったという。
この被告は、米国の圧力を受けて北朝鮮政府がメタンフェタミンの工場を破壊したが、一部の拠点は残されたと述べたという。同被告によれば、残ったのは同組織の関与する工場だけであり、北朝鮮政府は薬物を売っていないことを米国に示すために燃やし、その後、別の場所に移転させたのだという。