刑務官と服役中のギャングが癒着、麻薬融通や性的関係も 米
(CNN) 米東部メリーランド州の検察当局は24日までに、ボルティモア市の刑務所を舞台にした刑務官と服役中のギャング構成員の間の大規模な癒着を摘発、刑務官14人を新たに訴追したと発表した。
刑務官は収賄し麻薬や携帯電話の獄内への持ち込みを黙認もしくは助け、ギャング「ブラック・ゲリラ・ファミリー」のメンバーと性的関係も持っていた。刑務官は麻薬などを衣服、体の局部やサンドイッチに隠し刑務所内に持ち込んでいたという。
地元のCNN系列局によると、癒着の疑惑は今年4月、最初の逮捕者発表と共に発覚。麻薬密輸、暴行、恐喝、賄賂、資金洗浄などの罪で訴追されたのはこれまで計44人、うち27人がボルティモアの矯正施設職員となった。
訴状などによると、ギャングの男の服役者は女性刑務官4人と性的関係を持ち、4人をいずれも妊娠させていた。4人は禁止品の獄内への運び入れに協力し、うち1人は手首にこの構成員の名前の入れ墨をほどこしてもいたという。
構成員は獄内の同ギャングの首領格ともみられ、携帯電話での通話で「誰かが誰かを刺す前には自分の許可が必要」と誇っていたことも判明した。
同ギャングに属さない服役者は獄内で身を守ってもらうため、獄外の親戚らを通じて金銭の支払いを迫られていたともされる。
メリーランド州の検察当局は報道発表文で、同ギャングは個人的あるいは性的な関係や賄賂を通じて刑務官の懐柔を図り、一部の刑務官は金銭のため性的関係を持っていたと述べた。