米ミズーリ大、幹部らが辞任 差別問題での抗議受け
(CNN) 米ミズーリ大学で黒人の学生が人種を理由に差別されたと訴えていた問題で、同大学のトップが9日、相次いで辞任を表明した。
この問題ではアフリカ系米国人の学生が、公の場で差別用語が公然と使われるなど人種差別が横行していると主張。大学側が対応を怠ったと訴えて、同大の4つのキャンパスを束ねるミズーリ大学システムのトップ、ティム・ウルフ氏の辞任を要求していた。
ウルフ氏は9日、対応の不備の全責任は自分にあると認めて辞任を表明し、「私の辞任を和解と対話のきっかけにしてほしい」と訴えた。
続いてミズーリ大のボーウェン・ロフティン総長も記者団に対し、来年1月1日から新しい役職に移ると表明。抗議のハンスト運動を展開していた大学院生のジョナサン・バトラーさんの勇気と指導力をたたえた。バトラーさんは先週から続けていたハンストをこの日で打ち切った。
発表を受けて大学キャンパスには学生や教職員が集まり、肩を組んで問題の克服を誓った。
抗議運動には同大フットボールチームの選手も参加。ウルフ氏が辞任するまでフットボール関連の活動には参加しないと宣言していたが、同氏の辞任表明を受けてギャリー・ピンケル・ヘッドコーチらが記者会見。チームの活動を10日から再開すると発表した。