東南アジアの煙害は「人道に対する罪」、50万人に呼吸器疾患
(CNN) インドネシアでスマトラ島とカリマンタン島の野焼きによる煙害が深刻化し、近隣のシンガポールやマレーシアにも被害が広がっている。インドネシアの気象・気候・地球物理庁(BMKG)は被害の大きさを「人道に対する罪」と形容。ジョコ大統領は米国訪問の予定を切り上げて29日、スマトラ島などの現場を視察した。
煙害のため学校は休校になり、交通機関が乱れ、7月以来の急性呼吸器感染症患者は50万人に達した。
煙害の大部分は、パルプや紙、パーム油生産を目的とした耕作地開墾のための違法な野焼きで発生する。今年は特にエルニーニョ現象の影響で被害が広がり、過去20年で最悪の事態になった。最も大きな被害が出ている地域では、大気汚染指数(PSI)が危険レベルの300を大幅に超え、2000に達している。
地元紙は、4300万人が煙の粒子にさらされていると伝えた。社会問題相によれば、28日までに19人が煙害関連の疾患で死亡。住民には避難勧告が出されている。