スウェーデン学校襲撃 犯行の動機は人種差別、移民狙う
(CNN) スウェーデン南部トロールヘッタンの学校で22日朝に起きた教師と生徒の刺殺事件で地元警察は23日、人種差別が犯行の動機と断定した。容疑者の服装や振る舞い、特定の人種を選んで襲っていた事実などを踏まえた結論となっている。
また、容疑者の男の自宅捜索で人種差別主義に傾斜していたことを示す証拠も押収していた。警察は当初、右翼組織と関係がある犯行と見て周辺捜査を進めていた。
単独犯行の事件では生徒と教師の計2人が殺害され、別の生徒と教師が重傷を負っていた。1994年生まれとされる容疑者は現場に急行した警官に撃たれ、搬送先の病院で死亡した。
地元警察によると、犠牲者の2人はいずれも移民。うち1人は1998年にアフリカ東部ソマリアから移住してきた男性だった。負傷した2000年生まれの男子生徒も移民だが、出身国は明らかにされていない。
襲撃した男は覆面姿で、剣もしくは刃物で武装。フランス通信は、犯人とみられる写真を同校の生徒から得たと報道。男はヘルメット姿で剣のようなものを掲げていた。米人気映画「スター・ウォーズ」に登場する「ダース・ベイダー」を思い起こさせるヘルメットを用いていた。
この写真は犯行開始前のものとみられ、容疑者は生徒と一緒にポーズを取っていた。地元警察によると、犯人は最初に学校外で教師1人を襲い、その後、校内に侵入して別の教師らを攻撃していた。同校には小中学生が通っている。
スウェーデンは難民や移民らの積極的な受け入れで知られる。ただ、最近は外国人排斥の感情が強まっているとされ、人種などに絡む憎悪犯罪は2013~14年に14%増加したとの統計もある。