ハリケーンに襲われ沈没、米コンテナ船の記録装置回収
(CNN) 昨年10月にバハマ沖で大型ハリケーンに襲われて沈没した米コンテナ船「エル・ファロ」の航海データ記録装置が、9日までに回収された。
装置には船の位置情報や乗員による通信の内容が記録されているとみられ、沈没に至った状況の解明に役立つことが期待される。
エル・ファロはフロリダ州ジャクソンビルからプエルトリコへ向かう途中で沈没。米国人28人とポーランド人5人の乗員は全員死亡した。
米国家運輸安全委員会(NTSB)はこれまでにも記録装置の回収を試みたが、失敗に終わっていた。NTSBのハート委員長は「装置が回収されたことにより、乗員が直面した大変な困難をより詳しく調査できる」との見通しを示した。
エル・ファロの所有会社によると、船長はハリケーンを回避して安全に航行する計画を立てていたが、船が推進装置の故障で立ち往生したためにハリケーンの直撃を受けたとみられる。
米沿岸警備隊の調査委員会が原因を詳しく調べている。背後に営利上の圧力や荷崩れ対策の不備、安全対策の軽視などがなかったかどうかが焦点とされる。
ハリケーンに遭遇する前に最新の気象情報が伝わっていなかったことや、船体の老朽化が指摘されていたことも明らかになっている。