ワシントン(CNN) ロシアが去年の米大統領選前後にトランプ陣営を利する取り組みを進めていたとされる件に関連し、マラー特別検察官の捜査チームが今夏、これについての文書をまとめた英対外情報部(MI6)の元職員、クリストファー・スティール氏と面会していたことが6日までに分かった。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。
スティール氏からの情報により、トランプ陣営関係者と工作員疑惑があるロシア人との接触が違法なものではなかったかどうかが明らかになる可能性もある。
米中央情報局(CIA)を始めとする情報機関や連邦捜査局(FBI)は、スティール氏の調査を真剣に受け止めており、文書の中で裏付けを取った箇所やその方法が明らかにならないよう、ロシアの大統領選介入疑惑に関する1月の報告書には文書の内容を盛り込んでいなかった。
こうした姿勢は、スティール氏とそのメモは信頼性に欠けるとの見方を打ち出しているトランプ大統領や一部の議員の動きとは対照的だ。
文書の存在が1月に明るみに出て以降、トランプ氏やその協力者はそれが完全なフィクションだとする主張を繰り返してきた。トランプ氏は今夏、米紙ニューヨーク・タイムズの取材に、文書は「でっち上げられたものだ」と言及。今年初めの一連のツイートでは、メモについて、「低俗な政治工作員がでっち上げた事実」に依拠する「失敗したスパイ」により書かれたものだとしていた。
複数の情報筋がCNNに明かしたところによれば、問題の文書を構成するメモは、もともと対立候補に関する調査を目的に作成されたものだという。スティール氏は2016年夏、既にトランプ氏についての情報を収集していたワシントンの会社により雇われた。