ニューヨーク(CNN) 米ニューヨークで国連総会に出席しているマクロン仏大統領は19日、CNNとの独占インタビューで北朝鮮やイランの核開発問題を語り、軍事行動による解決や多国間合意の破棄を唱える強硬路線に対し、強く反発する姿勢を明確にした。
トランプ米大統領は同日、国連総会の一般討論演説で北朝鮮を「完全に破壊」する可能性に言及し、さらにイランと欧米など主要6カ国による核合意からの離脱を改めて示唆した。
これに対してマクロン氏は、北朝鮮の現状はイランの将来を占ううえで格好の前例になると主張。「我々は何年も前に北朝鮮から完全に手を引いてしまった。監視も協議も全て中止した結果、北朝鮮は恐らく核兵器を獲得しようとしている。イランで同じことを繰り返したくはない」と述べた。
イランとの核合意について、米国が破棄するのは「大きな間違い」だと語った。この合意で十分だとは思わないが、監視体制が確立したのは「ゼロよりましだ」と強調し、「代わりにどんな案を出すのか。何も出さないというのか」と問い掛けた。
北朝鮮への対応では「言葉の応酬で圧力を強めるのは私のやり方ではない」と述べ、「軍事解決を語るなら、多くの犠牲者を覚悟することになる。我々がこの地域でやるべきことは平和の構築だ」と力説した。
トランプ氏が地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱を表明していることに対しては、「本人の選択を尊重するが、残念なことだとは思う」と述べ、残留を求めて説得を図る意向を示した。カリブ海を次々に襲っているハリケーンと二酸化炭素の排出には直接の因果関係があるとも主張した。
マクロン氏はこの日、国連総会で臨んだ初の一般討論演説でも、イランや北朝鮮、温暖化対策などをめぐって同様の主張を展開した。