ワシントン(CNN) 米大統領選でトランプ陣営の選対本部長を務め、ロシアが選挙に介入したとされる疑惑の焦点といわれているポール・マナフォート氏が、連邦捜査局(FBI)による盗聴の対象になっていたことが19日までに分かった。
FBIは外国情報監視法(FISA)に基づく裁判所の秘密命令を受け、昨年から今年初めにかけてマナフォート氏の通信を盗聴していた。選挙の陣営幹部に盗聴を仕掛けるのは異例の措置とされる。
捜査状況に詳しい3人の消息筋によると、盗聴で得られた情報の中には、マナフォート氏がロシアにトランプ陣営への協力を促していたことを疑わせるやり取りもあったとされる。ただし消息筋のうち2人は、決定的な証拠ではないと指摘した。
盗聴内容の詳細は、介入疑惑の捜査を進めるマラー特別検察官に報告されたという。
FISAに基づくマナフォート氏への捜査はもともと2014年、同氏のコンサルティング会社などがウクライナの親ロシア政権に協力していたとの疑惑をめぐって開始されたが、この捜査は昨年、証拠不十分でいったん打ち切られた。
FBIはその後、トランプ陣営関係者とロシア工作員のつながりをめぐる新たな令状を受けてマナフォート氏の捜査を再開。これが少なくとも今年初めまで続いたという。こうした令状は司法省トップやFBI当局者が承認し、対象者が外国の工作員として動いているかもしれないとの情報をFBIが提示した場合に限って発付される。
FBIは今年、この令状による捜査の一環として、マナフォート氏が所有する倉庫を家宅捜索した。CNNはその情報をつかんでいたが、具体的な押収物などは明らかでない。FBIは7月、ワシントン郊外にある同氏の自宅も捜索した。