受刑者が市民を装い脱走、点呼でも気付かず 米東部
(CNN) 米東部ウェストバージニア州チャールストンの刑務所で服役中だった受刑者が一般市民を装って脱走していたことが29日までに分かった。警察が行方を追っている。
同州公安当局の発表によると、トッド・ウェーン・ボーイズ受刑者(44)は獄中でカーキ色のパンツと濃い緑色またはグレーのジャンパーを入手し、25日に午前6時前に市民のふりをして刑務所から出て行った。
職員が不在に気づいたのは、26日午後7時。この間に所内では正式な人数確認が3回、略式の点呼も2回実施されていた。
所内に設置された監視カメラの映像を調べたところ、同受刑者が歩き去る姿が映っていたという。
州警察の報道官によると、ボーイズ受刑者はオハイオ州で車を乗っ取った前歴があった。2016年2月にも同州で車を乗っ取り、警察に追われてウェストバージニアへ越境。チャールストン警察の車両に車ごと体当たりして警官を負傷させた後、警官に片手を撃たれて拘束された。
当初は殺人未遂で起訴されたが、先月司法取引に応じ、危険運転や車を盗んだ罪などを認めていた。CNN系列局は、同受刑者が27日に禁錮3~20年の刑を言い渡される予定だったと伝えている。
同系列局によると、ボーイズ容疑者の脱走をめぐっては、チャールストン市内の弁護士が直後に情報をつかみ、警告を発していたとされる。
この弁護士は同刑務所に収容されている依頼人から25日午前に情報提供の申し出を受け、同日午後に刑務所へ出向いて脱走の事実を知らされた。これをメモに書き留め、帰りに看守に渡したが、何の対応もなかったと主張している。