事故死した若者の精子の扱い、両親に決定権 体外授精も容認 米
(CNN) 事故で急死した息子の精子を将来、体外授精などに使うことを望んでいる両親に対し、米ニューヨーク州の裁判所はこのほど、精子の扱いについての決定権を認める判断を下した。
法廷文書によると、同州にある陸軍士官学校の生徒だったピーター・ジュさん(享年21)は今年2月、構内のスキー場で倒れているのが見つかり、空路病院へ運ばれたが3日後に脳死と判定された。
両親の希望により、裁判所の承認を得て3月初めに精子が採取された。ジュさんが亡くなった後、精子は地元の精子バンクに保管されている。
ジュさんの精子の扱いについて、本人の意思表示は残っていないが、両親はジュさんが生前「自分の子どもたちを持つのが夢」などと話していたと主張。その夢をかなえ、家系を絶やさないためにも、精子を人工生殖に使いたいとして許可を求めていた。
死亡した男性の精子をどうするかについては、既婚者の場合、配偶者に決定権が認められてきた。ジュさんのように未婚の場合、親には決定権がないとの考えが一般的だ。
しかし判事は、ジュさんの精子については両親が決断を下すのが適切と判断し、生殖目的を含め制限なしで扱いを決めることができるとの考えを示した。ただし実際の体外授精などについては、医師らが施術に消極的な姿勢を示すケースも予想され、両親はこれから障壁に直面する可能性もあると指摘している。