米FRB議長、トランプ氏が辞任迫っても「断る」
(CNN) 中央銀行に相当する米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は10日、利下げを求め異例の圧力を仕掛けているトランプ大統領が自らに辞任を迫ったとしてもこれを受け入れない考えを示した。
米下院の金融委員会の公聴会で、所属委員の質問に回答した。辞任を促す電話をもらったとしても、「そうするつもりはない」と明言。委員が良く聞こえなかったと応じて議場内で笑いを誘うと、「答えはノーだ」とも再度言い切った。
大統領に退任を迫る権限がないと考えるのかの質問には「法律に従い4年の任期がある。それをまっとうするつもりだ」と強調した。パウエル氏は2017年、トランプ氏に指名され、FRB議長に就任していた。
トランプ氏はこれまで、FRBは昨年利上げし米経済を湿らせたと主張し、利下げを公に要求。最近はパウエル氏解任の可能性を否定することも避け、「彼を解雇出来る権限を持っている」などとも述べていた。
ただ、パウエル氏は10日、トランプ氏の政策が絡む通商摩擦が一因でもある世界的な経済の混乱に言及し、利下げに踏み切る考えも示唆。「貿易上の緊張関係に由来する不透明さと世界経済の力に対する懸念が米経済の前途に漂っている」とも説明した。