米軍制服組の次期トップ、中国は「今後100年の難題」 上院公聴会で発言
(CNN) 米軍制服組トップの統合参謀本部議長に指名されているマーク・ミリー陸軍参謀総長は11日、中国が今後最大で100年にわたり、米軍にとっての「最上位の難題」であり続けるとの認識を表明した。
ミリー氏は昨年、トランプ大統領からジョー・ダンフォード統合参謀本部議長の後任に指名された。中国に関する今回のコメントは、指名を承認する上院軍事委員会での公聴会で述べたもの。
この中でミリー氏は、過去に米軍が中東で展開してきた戦争に言及。「第1次及び第2次の湾岸戦争の間、中国は我々をつぶさに観察していた。我々の戦力を見極め、あらゆる方法でそれらを模倣してきた。軍隊に関する基本的な原理、組織体系の多くを取り入れてもいる」と語った。
同氏によると、中国軍の戦力は宇宙やサイバー空間を含む各領域で「極めて急速に向上している」。研究開発や武器の調達に米国をしのぐ巨額の費用を投じていることが背景にあるという。
指名が承認されれば、ミリー氏はトランプ大統領の軍事顧問としても最高の地位に就く。中国の軍事力は、南シナ海をはじめとする世界各地で拡大を続けている。
公聴会で、中国軍の再編が米国に長期的な脅威をもたらすかどうか問われたミリー氏は、「米国の安全保障にとって、向こう50年から100年は最上位の難題になると思う」と返答。100年後の2119年に歴史家が今世紀を振り返った本を書けば、米中関係を主題にする者がいるだろうと言及した。
ただ一方で、現時点において中国は「敵国」ではなく、あくまでも「競争相手」だとの見方を強調した。
ミリー氏は、これまで第10山岳師団や第101空挺師団などの司令官を歴任。アフガニスタンやイラクで数々の実戦任務をこなしている。