米下院、ウイグル人権法案を可決 中国は反発
香港(CNN) 米下院で3日、中国新疆ウイグル自治区で少数民族ウイグル族が多数拘束されている問題をめぐり、米政府に中国政府への制裁発動を求める法案が可決された。
法案は賛成407、反対1の圧倒的多数で下院を通過した。続いて上院でも可決され、トランプ大統領が署名すれば成立する。
法案はウイグル族の収容所を政治的な「再教育」施設と呼び、米当局が中国政府や共産党の関係者に制裁を科したり、同自治区の政府機関に向けた米国製品の輸出を禁止したりする措置を取るよう勧告している。
これに対して中国外務省の報道官は4日、法案は中国政府による反テロ、脱過激化の取り組みを中傷する内容だと主張。「新疆が直面しているのは民族や宗教、人権の問題でなく、暴力やテロ、分離主義との戦いだ」との声明を出した。
米中間の関係は貿易戦争や人権問題をめぐり、緊張が高まっている。貿易協議では当初、今月中の「第1段階」合意を目指していたが、トランプ氏は3日、訪問先のロンドンで、合意成立が来年の米大統領選以降までずれ込む可能性に言及した。
ウイグル族の拘束をめぐっては最近、収容所が共産党指導部の指示により、ウイグル族の宗教や文化を規制する目的で設置されたことを示す党内部の文書が流出していた。中国政府は長年、収容所は職業訓練施設だと主張してきた。
米国では先月末、香港人権・民主主義法も成立。中国が報復措置として、米軍艦の香港寄港を拒否すると発表したばかりだった。