新型コロナ対応で解任の米空母艦長、下船時に乗組員から喝采

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米海軍の原子力空母セオドア・ルーズベルト/MC3 Nicholas Huynh/U.S. Navy

米海軍の原子力空母セオドア・ルーズベルト/MC3 Nicholas Huynh/U.S. Navy

(CNN) 米空母「セオドア・ルーズベルト」の艦長が船内での新型コロナウイルス感染拡大について警鐘を鳴らした後に解任された件で、空母を去る艦長に乗組員から拍手喝采が上がったことが分かった。

CNNが入手した映像には、集まった大勢の乗組員が拍手や名前の連呼でブレット・クロジャー艦長を盛大に送り出す様子が映っている。クロジャー氏は「稚拙な判断」を理由に解任されたが、乗組員からは感謝されていることが明らかに見て取れる。

モドリー海軍長官代行は2日、クロジャー氏について、自身の指示でスチュワート・ベイカー空母打撃群司令官によって解任されたと発表していた。

クロジャー氏は解任の数日前、乗組員の命を救うためには決然たる行動が必要だと海軍上層部に訴える書簡を作成。米国の国防当局者3人がCNNに確認したところによると、書簡には「我々は戦争状態になく、水兵らは死ぬ必要がない。直ちに行動を起こさなくては、我が軍の最も信頼のおける資源である水兵を適切に保護できなくなる」と記述されている。

これに対しモドリー氏は、クロジャー氏が懸念を提起したこと自体は正しいとする一方、同氏が「極めて稚拙な判断」を示し、自身の懸念を記した書簡を20~30人と広範囲に送付したことで混乱を招いたと指摘した。

書簡の内容は米紙サンフランシスコ・クロニクルに掲載された。モドリー氏は同紙で初めて書簡を見て驚いたとしながらも、メディアへのリークがあったかについて情報は持っておらず、解任理由でもないと説明。ウイルスの感染拡大という対応困難な局面で、プロとしての行動が最も求められる時にそれができなくなるまで状況の進行を許したことが要因だと語った。

米国防当局者が3日午前にCNNに明かしたところによると、セオドア・ルーズベルトではこれまで乗組員137人が新型コロナウイルスの陽性反応を示したという。これは米軍全体の感染者の10%以上に当たる。

民主党の上院議員のグループは、国防総省の監察官代行に対し、同空母での感染拡大の報告に対する海軍の対応とクロジャー艦長の解任決定について正式に調査をするように要請した。

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