米国の感染拡大、経済再開後は「不可避だった」 ファウチ氏
(CNN) 米南部や南西部で新型コロナウイルスの感染拡大が続き、多くの州が経済活動再開の計画を後退させる中、国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は15日、州が再開を試みた後に感染が拡大するのは「不可避」だったとの認識を示した。
ファウチ氏はこの中で、米国が経済再開を試みた後、「不可避の事態が起きた」と説明。「マスクを着けない人がバーに集まっている様子を捉えた写真や映像を見た」とも述べた。
米国で経済再開が始まった際、1日当たりの新規感染者数の基本水準は約2万人だった。
だが、州の再開に伴い感染者数は増え始め、「今や6万人前後で推移している」とファウチ氏は指摘。「この状況を続けることはできない。増加傾向を反転させる必要がある。これこそ我々が今、本当に取り組まなければならない問題だ」と強調した。
米ジョンズ・ホプキンス大学によると、米国の新規感染者数は14日、過去最多となる6万7417人を記録。同日時点での累計感染者は340万人以上となった。先週に比べ新規感染者の増加が報告された州は38に上る。
新たな感染者が出続ける中、少なくとも27州では経済再開の計画をいったん停止するか後退させた。
ファウチ氏は新型コロナ感染症について「歴史的な規模のパンデミック(世界的大流行)」との認識を示し、「この事実を否定することはできない」としている。
ファウチ氏はまた、現在の危機を1918年のスペイン風邪と比較。「あれこそ全てのパンデミックの母であり、真に歴史的な規模だった。今回はこの水準に近づかないことを望むが、それに近い深刻な事態になる要素や可能性はある」と危機感を示した。