ギリシャの大学生、48日かけてスコットランドから帰郷
(CNN) 英スコットランド・アバディーンで大学生活を送っていたクレオン・パパディミトリウさん(20)はこのほど、48日間かけておよそ2175マイル(約3500キロ)を自転車で移動し、無事に故郷のギリシャにたどり着いた。
パパディミトリウさんは「自分自身について多くのことを学んだ。自分の限界や強さや弱さも」とし、今回の旅が誰かにとって心地よい場所を抜け出して、新しいこと、大きなことに挑戦するきっかけになればと語った。
7週間の自転車旅を経て帰郷を果たしたクレオン・パパディミトリウさん/Courtesy Kleon Papadimitriou
パパディミトリウさんは3月の終わりごろ、ギリシャに戻る便を探そうと決めた。友人の大部分はすでに出発していたが、パパディミトリウさんはひとつの授業も欠席しないようにと残っていたという。3便を予約したが、すべてがキャンセルされた。
4月に入るころには、次の月もアバディーンで隔離生活を送ることになるだろうと思っていたという。そこで、アイデアが浮かんだ。
旅の大半は寝袋で夜を明かした/Courtesy Kleon Papadimitriou
パパディミトリウさんは自転車で移動できるか調査を始めた。2019年には自転車のレースに出たほか、今年も数週間トレーニングを行っていた。しかし、自転車についての経験といえば、それらが全てだった。
パパディミトリウさんはそれでも必要な装備を買い始めた。自転車を購入し、友人や両親にも旅のアイデアを伝えた。
父親からひとつだけ条件が出た。居場所を常に追跡できるようアプリを設定するようにいわれたのだ。
パパディミトリウさんは5月10日、食料や寝袋、テント、自転車用の機材などとともに旅に出発した。1日の移動距離は35マイルから75マイル。イングランドを抜けて、オランダに入り、ドイツではライン川に沿って数日走った。オーストリアを通って、イタリアの東海岸を移動し、ギリシャの港パトラへ向けて船に乗った。そして、アテネに向かった。
食料は缶詰食品を準備/Courtesy Kleon Papadimitriou
パパディミトリウさんは6月27日、出発から約50日かけて、自宅に戻った。道路には家族や友人とともに、旅の様子を追跡していたまったく見知らぬ人たちも含めて待っており、パパディミトリウさんの帰郷を祝った。
パパディミトリウさんはすでにアテネを離れて夏の間だけの仕事をしているが、今でも自転車旅行のことは思い出すという。「人間として成長したと思う。自分自身や自分の能力に対してより自信が持てるようになった」(パパディミトリウさん)