トランプ大統領批判の「匿名」論説、執筆者が身元明かす 騒動から2年
ワシントン(CNN) 2018年に匿名の米政府高官がニューヨーク・タイムズ紙にトランプ大統領批判の論説を寄稿した件で、執筆者はニールセン元国土安全保障長官の首席補佐官を務めたマイルズ・テイラー氏だったことが分かった。本人が28日、CNNに寄せた声明で身元を明かした。
テイラー氏は当時の論説で、政権内の「抵抗勢力」の一員としてトランプ氏の「最悪の性向」を阻止する取り組みを進めていると明らかにしていた。匿名で執筆した理由についてテイラー氏は、トランプ氏に個人攻撃の機会を与えることなく批判に応答させたかったためだとしている。トランプ氏はこの論説を反逆的と形容していた。
テイラー氏は今回の声明で、匿名を選んだのは「簡単な決断ではなかったし、私自身、葛藤があった」と説明。現職大統領への深刻な批判を匿名で行うことを問題視する人がいるのは理解できるとしたうえで、「当時の私の論理は明快であり、今でも正しいと思っている」と述べた。
そのうえで「身元を明かさずに批判を展開することで、大統領は侮辱や中傷ではなく、寄稿の内容に直接応答するか、あるいは全く応答しないことを強いられた」と述べ、「議論の内容そのものに注目して欲しいというのが私の考えだった」と言い添えた。
テイラー氏は20年9月からCNNに寄稿している。これまでは匿名の論説文の書き手であることを否定していた。
18年にこの論説が執筆された際、トランプ氏は激怒し、当時のセッションズ司法長官に調査を要請した。ホワイトハウス内では執筆者の身元を突き止めるための内部調査も行われていた。