バイデン氏、「米国の品格」懸けた戦いに勝利 待ち受ける課題は
(CNN) 米大統領選で民主党のバイデン前副大統領が当選を確実にした。国家の品格と大統領の威厳を取り戻そうと訴えて勝利を収めた今、同氏の行く手には多くの課題が待ち受けている。
バイデン氏は7日の声明で、国民からの信任を光栄に思い、謙虚に受け止めていると述べて勝利を宣言した。新型コロナウイルス感染拡大という「前例のない障害」にもかかわらず記録的な数の有権者が投票したと指摘し、「民主主義は米国の胸の奥深くで脈打っていることが改めて証明された」と強調した。さらに「われわれ国民が力を合わせれば、不可能なことはない」と訴えた。
次期副大統領に決まったハリス上院議員は、バイデン氏との電話で勝利を喜び合う場面の動画をツイッターに投稿した。
CNNなどがバイデン氏の当選確実を報じた時、トランプ大統領はバージニア州でゴルフ中だった。ゴルフ場に向かう途中のツイートでは「この選挙は私が大差で勝った」と主張していた。
報道が流れると、全米各地の都市でバイデン氏の支持者らがマスクを着けて街へ繰り出し、同氏の勝利を祝った。
We did it, @JoeBiden. pic.twitter.com/oCgeylsjB4
— Kamala Harris (@KamalaHarris) November 7, 2020
バイデン氏は今月78歳を迎え、史上最高齢の大統領として来年1月に就任する。100年ぶりの公共保健上の危機と1930年代以来の深刻な景気の落ち込み、全米を揺さぶる人種差別や警官による暴力の問題など、次期政権を取り巻く環境は厳しい。
トランプ氏の支持者らは選挙結果の正当性を否定している。CNNの予想によれば民主党は下院の多数派を維持する見通しだが、共和党も予想以上の健闘をみせた。
この4年間で世界情勢も大きく変化した。バイデン氏は世界のリーダーとしての米国の地位回復を目指すが、中国の覇権主義や同盟国との信頼関係、北朝鮮やイラン、ロシアとの対立激化など、現政権から受け継ぐ課題は多岐にわたっている。