新型コロナ、昨年12月にすでに米国に上陸か
(CNN) 米国では早ければ昨年12月の時点ですでに新型コロナウイルスに感染した人が各地に存在していた可能性があるとの新しい研究結果が発表された。新型コロナウイルスの感染者として知られる最初の人物は1月15日に中国から米国に到着していたが、それよりも1カ月早いことになる。
米疾病対策センター(CDC)と赤十字社の研究者は、今回の研究によって、2020年1月19日より前に米国に新型コロナウイルスが持ち込まれていた可能性が示されたと述べた。
研究者は12月から1月上旬にかけての献血を検査し、9州からの少なくとも84の試料について新型コロナウイルスの抗体の証拠を発見した。こうした人々は新型コロナウイルスに感染した可能性を示唆している。
こうした人々は流行の初期の段階で感染した可能性もあれば、気づかれないうちに新型コロナウイルスが流行していた可能性もある。
当時新型コロナウイルスの検査を実施していなければ判断することは難しいが、そうしたものが存在しないのはあきらかだ。新型コロナウイルスの症状は、せきや発熱、体の痛みなど多くの他のインフルエンザのものと似ている。
コロンビア大学のイアン・リプキン博士によれば、感染時かその直後に採取した試料がなければ、その人がそのときに感染していたかどうか判断するのは不可能だという。
抗体検査では過去の感染は示すことができるが、いつ感染が起きたのかはわからない。12月に感染したのか、それとも3月や4月に感染したのか区別できないという。
CDCや赤十字社の研究者は、今回の研究によって、新型コロナウイルスの流行がいつはじまったのかについて、献血が重要な情報源になる可能性があることを示していると指摘した。