バイデン氏がコロナ対策計画 就任100日でワクチン1億回接種へ
ワシントン(CNN) バイデン次期米大統領は8日、次期政権で新型コロナウイルス感染拡大に対応するチームの主要メンバーを紹介し、対策計画の3つの重点項目を発表した。
バイデン氏はこの日、地元デラウェア州ウィルミントンでのイベントで演説。「就任から100日でウイルスは終わらない。それは約束できない」としたうえで、感染拡大の流れを変えることはできると強調した。
発表によると、まず100日以内にワクチン少なくとも1億回分の接種を目指す。米疾病対策センター(CDC)の提言に基づいて医療従事者と長期療養施設の入所者を最優先とし、教員にもできるだけ早く接種する。
同氏は重点項目の2つ目として、就任と同時にマスクの着用を義務付ける大統領令に署名すると表明した。大統領として国民に対し、一方的にマスク着用を命じる権限はないとしたうえで、連邦機関のビル内や州をまたぐ旅客機、列車、バスの中で着用を求めることはできると述べた。
3つ目には学校の安全な再開を挙げた。生徒や教職員を守るために必要な予算が議会で承認され、州や市当局が厳格な公共保健措置を取れば、就任後100日以内に大半の学校を再開できるようにするとの方針を示した。
これらの重点項目は、次期政権の「首席医療顧問」に起用するファウチ国立アレルギー感染症研究所長と話し合って決めたという。
次期政権ではファウチ氏に加え、厚生長官にカリフォルニア州司法長官のハビエル・ベセラ氏、医務総監にはオバマ前政権でも同職を務めたビベク・マーシー氏、CDC所長にマサチューセッツ総合病院の感染症部門を率いるロシェル・ワレンスキー氏の起用が決まっている。
オバマ前政権の高官でバイデン氏の政権移行チームを率いるメンバーの1人、ジェフ・ジエンツ氏が新型コロナウイルス対策の調整官兼大統領顧問、同じく前政権で顧問を務めたナタリー・キリアン氏が副調整官に就く。移行チームを率いるもう1人のメンバー、マルセラ・ニュネススミス氏は、新型コロナウイルス対策の公平性確保に特化したプロジェクトチームの責任者となる。