パンデミックでペット詐欺が横行、苦情倍増
(CNN) 新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が始まってから、米国内でペットの購入に絡む詐欺が横行している。消費者団体に入る苦情の件数は2倍以上に増えたという。
ニューヨーク州に住むキャロリン・バーグさん(62)はインターネット上で見つけたブリーダーから2匹の猫を買うことになり、10月に2500ドル(約26万円)を送金した。だが猫は今もいない。
外出制限中の寂しさに耐えかねて、どうしても猫が飼いたかったという。前に飼っていたヒマラヤンが18歳で大往生を遂げた後、夫と話し合ってサイベリアン2匹を引き取ることにした。
送金後におかしいと思って調べてみると、フェイスブック上に同じブリーダーにだまされたという被害者のグループがあった。
バーグさんは消費者保護を目的とする米NPO「商事改善協会(BBB)」に被害を報告した。
バーグさんは前に飼っていたヒマラヤンが18歳で旅立ったあと、再び猫を飼うことに決めた/Courtesy Carolyn Barg
BBBによると、ペット詐欺は3年前から増加傾向にあったが、今年は特に激増した。
被害総額は過去12カ月間で300万ドル(約3.1億円)と、3年前の6倍に達していると推定される。
パンデミックが始まってからしばらくの間は、各地の動物保護施設に里親の希望者が殺到した。施設に犬や猫がいなくなると、今度はネット上でペットを探す人が増えた。そこを狙った詐欺が横行しているという。
BBBに入った苦情は11月末までに3969件。年内に4300件にも達する見通しだ。
バーグさんは警察や銀行にも届けたが、支払った代金が返ってくる気配はない。夫妻は近くのブリーダーから猫を買うことにした。2月になったら引き取りに行く予定だ。前金は請求されていないという。