米大統領補佐官、FDA長官に11日中のワクチン許可要求 「さもなければ辞任を」
ワシントン(CNN) 米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンをめぐり、メドウズ米大統領首席補佐官が食品医薬品局(FDA)のハーン長官に対し、米国時間の11日中に緊急使用を許可するよう求め、さもなければ辞任する必要があると伝えたことがわかった。政権当局者と事情に詳しい情報筋がCNNに明らかにした。
事情に詳しい別の関係者によれば、英国で今週前半に同ワクチンの接種が開始されて以来、トランプ大統領はハーン長官に対する不満をあらわにしているという。この関係者も、11日中にワクチンを承認するようメドウズ氏からハーン氏に要求があったことを確認した。
両氏は11日午前に電話で会談。ホワイトハウスの当局者は取材に対し、非公開の会話についてはコメントしないとしつつ、メドウズ氏がワクチン投入に向けた進ちょく状況の報告を「定期的に要求」していることを明らかにした。
両氏の会話については米紙ワシントン・ポストが最初に報じた。ハーン氏はただちに報道内容に反論したものの、ワクチン使用許可の手続きにトランプ政権の政治的な利害が絡んでいないか、改めて疑念が浮上しそうだ。ワクチン認可に対する国民の信頼を損なう可能性もある。
ファイザーなどが開発したワクチンを巡っては、FDAのワクチン諮問委員会が10日、緊急使用許可を出すように勧告。許可は間近とみられている。
トランプ氏はこのところ緊急使用許可の手続きにいら立ちを募らせており、関係者によると、退任前に可能な限り多くのワクチンを投入したい考えだという。11日にはFDAを「でかく老いた、のろまなカメ」と呼ぶ場面もあった。