犬の訓練で新型コロナを探知、汗のにおいをかぎ分け
(CNN) 犬に訓練を受けさせれば、人の汗のにおいをかぐことによって新型コロナウイルスを検出できるようになるという研究結果が、10日の米科学誌プロスワンに発表された。
犬は特別な訓練を受ければ結腸がん、マラリア、パーキンソン病といった疾患を探知できることが分かっている。そこで世界の多くの国が、空港のような場所で手早く確実に低コストで新型コロナ検査を行う手段として、犬を使う可能性を検討している。
今回の研究では、フランスとレバノンの研究チームがパリの4病院とベイルートの1病院に入院している患者計177人のわきの下から採取した汗を使って犬の訓練を行った。177人のうち、95人は新型コロナ検査で陽性、82人は陰性と判定されていた。
実験に参加したのは爆弾探知犬、捜索救助犬、結腸がん探知犬として活躍している犬14匹。研究チームは患者から採取したサンプルを使って新型コロナウイルス検知の訓練を行い、陰性の患者のサンプルや模擬サンプルの中から、陽性の患者のサンプルを検知させる実験を行った。
訓練を受けた犬たちは、ウイルスの複製によって生成され、汗に混じって体外に排出される揮発性有機成分のにおいをかぎ分けていると思われる。
テスト期間中は数十回の実験が繰り返され、犬たちは76~100%の確率で成功を収めた。特に結腸がん探知犬の2匹は68回のテストで100%の成功率だった。
この2匹は、検査で陰性とされた患者2人のサンプルについても繰り返しマークし続けた。病院に連絡した結果、その後の検査でこの2人は陽性と判定された。
新型コロナ探知犬は英国で訓練が行われているほか、フィンランドのヘルシンキ空港に今年9月から配備されている。