トランプ大統領、国防法案に拒否権行使 週明けにも議会で再採決か
(CNN) トランプ米大統領は23日、国防予算の大枠を定める国防権限法案に拒否権を行使した。上下両院は大統領の拒否権を覆すのに必要な3分の2以上の賛成で同法案を可決しており、週明けにも拒否権を覆すための再採決を行う可能性がある。
下院は28日に再採決を実施する見通し。前回の採決で同法案に賛成した共和党議員のうち、何人が賛成を維持するかが注目される。マッカーシー下院院内総務は、共和党議員の多くは同法案そのものには賛成票を投じたものの、トランプ氏の拒否権を覆す票は投じないだろうと示唆しており、再採決で拒否権が覆るかどうかは不透明だ。
トランプ氏は以前から、通信品位法230条を撤廃する規定が盛り込まれていないことを理由に、国防権限法案に拒否権を行使する方針を示唆していた。230条はIT企業のウェブサイトに自社や第三者が投稿した内容についてIT企業を免責する内容。
今回の国防権限法案には、トランプ氏が国境の壁の建設に転用できる資金に上限を設ける条項や、南部連合関係者の名を冠した基地の名称変更を軍に求める条項が含まれている。
法案に反対するトランプ氏の姿勢をめぐり、共和党議員の反応は大きく分かれた。同党の議員は再び、大統領への忠誠を選ぶか、国防政策を定める法律を支持するかの選択を迫られることになる。
現在の下院の議員数は430人で、大統領の拒否権を覆すためには、そのうち288人の票が必要になる。下院で拒否権が覆されなければ、上院での採決は必要ないが、下院で覆った場合、上院議員は29日正午に首都ワシントンに戻って採決の手続き開始することになる。