トランプ大統領、駆け込みで恩赦と減刑 ロシア疑惑で有罪の2人も
(CNN) トランプ米大統領は22日、ロシアによる米大統領選介入疑惑の捜査で有罪を認めた元側近ら十数人の恩赦と、薬物犯罪の服役囚ら5人の減刑を発表した。
トランプ氏は退任前に大量の恩赦や減刑を発表すると予想されている。
今回の恩赦では、ロシア疑惑の捜査に絡み、虚偽の証言をして有罪になったトランプ陣営の元外交顧問ジョージ・パパドプロス氏と、オランダ人弁護士のアレックス・バンデルズワン氏が対象になった。
与党・共和党の元下院議員2人も恩赦された。ダンカン・ハンター元議員は選挙資金を私的に流用した罪で禁錮11カ月の刑を言い渡され、来年1月に収監される予定だった。
クリス・コリンズ元議員は豪企業の株取引に絡んで息子にインサイダー情報を流した罪を認め、禁錮2年2カ月の刑を言い渡されて今年10月から服役していた。
FOXニュースの番組に出演するジョージ・パパドプロス氏=2019年3月、米ニューヨーク/Noam Galai/Getty Images
このほか、2007年にイラクの首都バグダッド市内の広場で発砲し、市民14人を不当に殺害したとして有罪評決を受けた米民間軍事会社の元従業員4人と、05年にメキシコ国境で不法移民を銃撃し負傷させたうえ、隠ぺいを図った国境警備隊員2人に恩赦が与えられた。この2人は当初、それぞれ禁錮11年と同12年の刑を言い渡されたが、ジョージ・W・ブッシュ元大統領が減刑していた。
トランプ氏が同日発表した減刑の対象者にも、共和党の元下院議員が含まれていた。スティーブ・ストックマン元議員は詐欺や資金洗浄など20件の重罪で禁錮10年を言い渡され、すでに2年の刑期が経過している。ホワイトハウスは減刑の理由として、64歳で基礎疾患があり、新型コロナウイルス感染で重症化するリスクが高いことを挙げた。
トランプ氏は18年、タレントのキム・カーダシアンさんの働き掛けで、薬物犯罪による終身刑で服役していたアリス・ジョンソンさんの減刑に応じた。さらに今年の共和党全国大会でジョンソンさんの恩赦を発表していた。今回はそのジョンソンさんの要請を受け、薬物犯罪で服役中の女性3人を減刑した。