米司法長官、フリン元大統領補佐官の事件再調査を指示 当局者
ワシントン(CNN) バー米司法長官がマイケル・フリン元大統領補佐官(国家安全保障担当)の件を含む複数の刑事事件について再調査を指示したことが分かった。複数の米当局者が明らかにした。司法省の動きの裏に政治的な動機がないか、改めて厳しい視線が注がれる可能性がある。
フリン被告はロシアの米大統領選干渉疑惑をめぐる捜査で、トランプ氏の大統領就任前に自身が当時の駐米ロシア大使と交わした会話に関して虚偽の供述をした罪で訴追された。罪を認めマラー元特別検察官が率いる捜査チームに協力していたものの、昨夏から代理人が変わり方針を変更、刑の宣告直前になって有罪答弁の取り下げを認めるよう裁判所に求めている。
当局者の1人によると、ミズーリ州セントルイスの連邦検事、ジェフリー・ジェンセン氏がフリン氏の事件の一部の再検証に当たっている。この他に調査の対象になっている事件は不明で、どのような形を取っているのかも分かっていない。
司法省の当局者によると、ジェンセン氏は再調査に当たり、マラー元特別検察官の捜査でフリン氏に対する訴追を主導したブランドン・バン・グラック元検事と協力している。司法省がフリン氏による有罪答弁取り下げの求めに応じない方針を維持した場合、バン・グラック氏が司法取引の状況に関する証言を行う可能性があるという。
この当局者は、ジェンセン氏の再調査への関与について、フリン氏に対し実刑を求める司法省の方針が変わるシグナルと取るべきではないとも語った。
バー氏の指示については、米紙ニューヨーク・タイムズが最初に報じた。
バー氏率いる司法省は数日前、トランプ大統領の元側近ロジャー・ストーン被告の事件で、検察の当初の求刑を覆して軽い量刑を勧告。この決定を受け、4人の連邦検事が担当を降りる事態となり、政治問題に絡んだ司法省の公平性に改めて疑念が生じていた。
フリン氏の求刑については、この数週間司法省内で方針の対立が起きていた。検察官は実刑を求める一方、司法省幹部は保護監察処分で済ませたい考えを示していた。CNNは12日、検察官が今年1月に裁判官に実刑の検討を求めたことに対して、バー氏が怒りを示していたと報じた。
バー氏は昨年、別の連邦検事にもロシアの選挙干渉疑惑に関する捜査の端緒について再調査を求めている。調査はその後刑事捜査へと進み、ロシア疑惑の捜査での情報機関の役割を調査していると報じられている。