ジョージ・フロイドさんの死因は心疾患、被告による制圧の影響を排除 元監察医
(CNN) 米ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官の暴行で死亡した事件の裁判で、メリーランド州の元首席監察医が14日、弁護側からの証言を行い、フロイドさんの死因は持病の心疾患であって警官の制圧行為によるものではないとの見解を示した。
2019年末にメリーランド州首席監察医を退任した法医学者のデービッド・ファウラー博士は、「私見では、フロイドさんは突発性かそうではない心不整脈に見舞われた。原因は本人のアテローム性動脈硬化症と高血圧症に関連した心疾患だ。警官から制圧行為を受けているときにそれが起きた」と述べた。
ファウラー氏によれば、フロイドさんは冠状動脈が狭まるアテローム性動脈硬化症を患い、高血圧を原因とする拡張型心筋症にもかかっていた。また麻薬性鎮痛薬のフェンタニルと覚醒剤のメタンフェタミンを使用し、傍神経節腫として知られる腫瘍(しゅよう)も患っていた。
これらの条件が重大な影響を及ぼし、フロイドさんの死につながったとファウラー氏は語った。
さらに新たな論点として、警察車両が排出する一酸化炭素が原因で死亡した可能性にも言及した。
ただ反対尋問では、一酸化炭素による影響を裏付けるデータや検査結果は全く持っていないことを認めた。当時車両のエンジンがかかっていたと判断したのは、排気管から液体が滴っているのを動画で確認したからだという。
そのうえでファウラー氏は、窒息はフロイドさんの死因ではないとの見方を表明。「(体の位置や態勢による窒息は)興味深い仮説ではあるが、それを裏付ける実験データは一切ない」と指摘した。