余ったワクチンを投与して解雇、医師が自治体提訴 米

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余った新型コロナウイルスワクチンを投与し解雇されたハサン・ゴーカル医師/Brandon Thibodeaux/The New York Times/Redux

余った新型コロナウイルスワクチンを投与し解雇されたハサン・ゴーカル医師/Brandon Thibodeaux/The New York Times/Redux

(CNN) 米南部テキサス州ハリス郡で今年初めに新型コロナウイルスワクチンの余った分を接種対象者に打ち解雇された公衆衛生医が、損害賠償を求めて同郡を提訴した。

検察によると、ハサン・ゴーカル医師は窃盗容疑での訴追を受けたが、ハリス郡の大陪審は正式な起訴をしなかった。

先月21日に提出された訴状によると、ゴーカル氏はハリス郡公衆衛生局(HCPH)の医療顧問を務め、昨年12月29日に最初のワクチン供給に関わっていた。

当時ゴーカル氏が監督していた接種会場では封のあいたバイアル(瓶)に接種10回分のワクチンが残っていた。現場の人々に接種希望者がいないか尋ねたところ、ほとんどの人が接種済みだった。

そこでゴーカル氏はHCPHの監督者に連絡して接種希望者を探すことの許可を得た上で、できる限り多くの人に連絡した。患者のための資源を捨てずに付与するという医師として当然の行為をしたという。

ゴーカル氏の以前の担当弁護士によると、同氏は数人の接種対象者にワクチンを打った。接種予定だった1人が突然来られなくなったため、基礎疾患を持つゴーカル氏の妻にも接種したという。

訴状によれば、その後HCPHの人事部局からゴーカル氏に対して、ワクチン配布を「平等に行わず、インド系に聞こえる名前の人々に偏ってワクチンを接種した」との指摘が入った。「代わりにワクチンを捨てるべきだった」とも言われたという。

ゴーカル氏の弁護士は声明で「彼がアンダーソンやスミス、ジョーンズといった名前の人々に打っていればヒーローと呼ばれ、解雇や訴追、中傷、大陪審を経験せずに済んだことは明らかだ」と述べた。

ゴーカル氏はHCPHが「解雇や南アジア系でパキスタン出身を前提とした差別により(同氏の権利を)侵害した」として、賃金の喪失や精神的苦痛などに対する賠償100万ドル(約1億1000万円)の支払いを求めている。

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