米下院民主党、インフラ法案の採決先送り 党内で集中協議も進歩派反発
(CNN) 米民主党のペロシ下院議長は、9月30日夜に予定していた1兆ドル(約110兆円)規模のインフラ法案の本会議採決を先送りする判断を下した。側近が明らかにした。
党内の進歩派議員の反発を受けた措置。民主党がセーフティーネットや気候変動対策を盛り込んだより大規模な別の法案で合意するまで、インフラ法案の採決も遅れる可能性がある。
ペロシ氏は今回の判断に先立ち、バイデン大統領との電話や下院民主党議員との協議など、数時間にわたる集中的な交渉を重ねていた。インフラ法案の採決は当初27日に予定されていたものの先送りになっており、今回の延期でペロシ氏が定めた2度目の期限も過ぎることになる。
ホワイトハウスのサキ報道官は30日夜の声明でペロシ氏やシューマー上院院内総務に謝意を示した際、交渉は10月1日に再開する見通しだと言及した。
インフラ法案は道路や橋、輸送機関、鉄道、ブロードバンド(高速大容量)通信網、空港、港湾、水路の改修に数千億ドルを投じる内容。民主党リベラル派は今週、この法案の阻止に十分な票を集めたと自信を示していた。
リベラル派はこうした強気の戦術により、党内穏健派に3兆5000億ドル規模の「ビルド・バック・ベター(より良き再建)法案」への支持を促したい考えだ。
こちらの法案には児童税額控除やメディケア(高齢者および障害者向け公的医療保険制度)の拡充、コミュニティーカレッジへの資金支援、気候変動対策などが含まれる。財源については、少なくとも部分的には法人や富裕層などへの増税でまかなう方針。