米主力戦車のウクライナ到着、1年以上先の可能性 陸軍長官
(CNN) 米国のウォーマス陸軍長官は26日までに、ウクライナへの提供を表明した主力戦車「エイブラムス」の引き渡し時期について1年以上要する可能性があるとの見方を示した。
国防記者会の行事に出席した際に述べた。長官は引き渡しの方途や時期については計画を依然練っている段階にあるとも明かした。
長官は、ウクライナへ最速で届ける措置を模索しているが、数週間内に処理できる問題ではないと指摘。「2年以内、あるいは1年半以内に果たし得る選択肢はあると判断している」と述べた。「今年末までに供与できるかどうかの判断も下さなければならない」とも続けた。
その上でオースティン米国防長官に提出したとする対応策の内容に触れ、戦車をいちから製造する方途も入っていると説明。米陸軍は通常、この方式を取らず、既存の戦車の各型式の性能改善を選んで調達しているとした。
さらに米国製戦車をこれまで売却した諸国を巻き込む形でのウクライナへの戦車提供を検討しているとも述べた。ウクライナへの輸送を速くするための措置となり得るが、重要な同盟国との関係にきしみが生じる恐れがあることにも言及した。
米国はドイツ製戦車「レオパルト」などの譲渡を決めた他のウクライナ支援国に追随する形で、エイブラムス供与の方針を発表していた。しかし、米政府当局者は当初から、同戦車を実際にウクライナへ運ぶまでに時間がかかると釘を刺してきた。
ウォーマス長官はこれに関連し、破損などしたエイブラムスを回収する車両の手当て、武器弾薬の確保や乗員となるウクライナ兵の訓練が伴うと補足した。