元FBIの防諜部門幹部、ロシア新興財閥に便宜図った企みで共謀認める
(CNN) 米連邦捜査局(FBI)のニューヨーク事務所で防諜(ぼうちょう)部門のトップを務めていた男が15日、連邦裁判所に出廷し、制裁対象のロシアのオリガルヒ(新興財閥)に便宜を図る企みに関連して共謀の罪を認めた。
チャールズ・マクゴニガル被告(55)は2018年に22年間務めたFBIを退職。ニューヨーク州南部地区連邦検察と結んだ司法取引によれば、国際緊急経済権限法(IEEPA)に違反し、マネーロンダリング(資金洗浄)に手を染めたことを認めた。
被告は今年1月にニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港で逮捕され、ニューヨークとワシントンでそれぞれ起訴された。まだFBIの幹部だった時期に、制裁対象だったロシアのオリガルヒ、オレグ・デリパスカ氏に便宜を図り、アルバニアの情報機関の元従業員から数十万ドルを受領したことを隠していたとされる。被告の弁護士は、アルバニア関連の事件は月内に解決する可能性があると判事に伝えた。
判事は被告に違法な企てや精神状態に関する質問をした後、司法取引を認めた。
被告は自分の行為を「深く悔やんでいる」とした上で、「米国やFBI、家族、友人を傷つける意図は全くなかった」と語った。
「別の当事者との間で、オレグ・デリパスカ氏の商売上の競合相手であるロシアのオリガルヒ、ウラジーミル・ポターニン氏の不名誉なオープンソースの情報を収集することに同意した。私はデリパスカ氏が米政府の制裁リストに載っていることを知っていた」と述べ、「私の集めた情報はポターニン氏を米国の制裁リストに載せるために使われるというのが私の理解だった」と続けた。
「私の仕事がデリパスカ氏にいくらか便宜を与えることになり、米国法ではそうした役務の提供を間接的であってもしてはいけないということを自分で理解していた」とも語った。
判事は、今回有罪答弁をした一つの罪状で最大5年の禁錮刑に服する可能性があると述べた。
量刑の言い渡しは12月14日の予定。