原因不明の犬の呼吸器疾患、米各地で拡散 専門家が解明急ぐ
(CNN) 米ニューハンプシャー州やオレゴン州など各地で原因不明の犬の呼吸器疾患が報告されている。まれに死に至ることもあり、研究者が原因の究明を急いでいる。
オレゴン州農務局は今月9日の発表で、この疾患を「非定型犬類伝染性呼吸器疾患」と形容。せき、くしゃみ、目やに、鼻水、元気がないなどの症状が表れると指摘した。
同州の獣医師からは8月半ば以来、200例を超す症例が報告されているほか、コロラド、イリノイ、ニューハンプシャーの各州でも報告が寄せられているという。
この疾患について獣医師学会で発表したオレゴン州のライアン・ショルツ獣医師によると、これまでに報告された症例にはウイルス性という共通点がある様子だが、一般的な呼吸器疾患の検査はほとんどが陰性だった。
病理学を専門とするニューハンプシャー大学のデビッド・ニードル准教授によると、この疾患は一般的に、標準的な治療法に対して耐性を持っているという。
死亡例はそれほど多くはないものの、まれに長期にわたる慢性疾患後に急性肺炎を発症して死に至ることもあるとニードル氏は解説し、二次感染の可能性もあると指摘した。
ニードル氏の研究チームは、オレゴン州やコロラド、イリノイなどの各州から検体を集めて原因を突き止めようとしている。
ワシントン州立大学の動物疾患診断研究所も、原因不明の犬の呼吸器疾患が報告されていることを明らかにした。
同大のケビン・スネクビック教授によれば、せき、発熱、元気がないといった症状が表れる呼吸器疾患の犬の数は増加傾向にあり、こうした症状は数日以上にわたって持続するという。
この疾患で犬が死んだ症例は同研究所には報告されていないものの、他州では数例の報告があるとスネクビック教授は話している。