トランプ氏勝利もヘイリー氏は撤退せず、米ニューハンプシャー州予備選の五つのポイント
(CNN) トランプ前米大統領は23日に行われたニューハンプシャー州予備選で、共和党の候補指名を争うヘイリー前サウスカロライナ州知事との一騎打ちを制し、3回連続となる大統領候補指名獲得に向け大きく前進した。
ヘイリー氏は共和党の指名争いに残る考えを明言。今後は来月24日に行われる地元サウスカロライナ州の予備選に集中すると表明した。ヘイリー氏が自身にまだ対抗馬としての勝算が残っていることを証明しようと努める一方、現職のバイデン大統領は本選でのトランプ氏との再対決を見据え準備を始めた。
以下にニューハンプシャー州予備選の五つのポイントを挙げる。
トランプ氏、ヘイリー氏の撤退を要求
トランプ氏が23日夜にニューハンプシャー州で行った演説は祝勝ムードに包まれるとみられていたが、トランプ氏はむしろ、ヘイリー氏が予備選から撤退していないことに苛立(いらだ)っている口ぶりだった。
トランプ氏はヘイリー氏をあざけり、「ひどい結果」だったにもかかわらず「勝利を主張する」「詐欺師」と呼んだ。(実際には、ヘイリー氏は発言の冒頭でトランプ氏の勝利に祝意を示した)
ヘイリー氏は指名争いの「決着には程遠い」と発言
ヘイリー氏は23日夜、ニューハンプシャー州に集まった支持者を前に、「まだ数十州が残っている」と指摘した。ただ、ヘイリー氏がどの州でトランプ氏に勝利できるのかは不明だ。
ヘイリー氏は来月8日に行われるネバダ州党員集会には参加せず、地元サウスカロライナ州の世論調査ではトランプ氏に大きく水をあけられている。
ヘイリー氏、トランプ氏は敗者だと主張
ヘイリー氏は23日夜の演説で、本選での勝算に関してこれまでで最も鋭い議論を展開。共和党が2018年と22年の中間選挙、そして20年の大統領選で期待外れの結果に終わったのはトランプ氏の責任だと主張した。
さらに、トランプ氏を「ジョー・バイデン(大統領)でも勝てる米国唯一の共和党候補」と形容した。トランプ氏は共和党予備選の世論調査で圧倒的にリードしているが、世論調査では、本選でバイデン氏との一騎打ちになると想定した場合、ヘイリー氏の方が良い成績を収めるとの結果も示されている。
トランプ氏にとって警戒すべき兆候
トランプ氏は今回の勝利で共和党候補指名の獲得に向け大きく前進した。ただ、ニューハンプシャー州予備選の有権者を対象にしたCNNの出口調査では、本選に向け警戒信号がともった。ヘイリー氏は穏健派を自認する有権者の29%から支持を獲得したほか、予備選に参加した有権者の44%は、トランプ氏が有罪判決を言い渡された場合、大統領には不適格だと回答した。
バイデン氏は本選へ始動
バイデン氏は23日夜のニューハンプシャー州予備選を制したが、民主党の候補指名手続きで同州を格下げする動きを主導したのはバイデン氏であり、逆風にさらされるリスクもあった。ただ、バイデン氏の支持者は民主党員を対象に、自由記入でバイデン氏の氏名を記載するよう求める取り組みを展開。これが功を奏して快勝に結びついた。
バイデン陣営は本選に向け早めのスタートを切る準備を進めており、デラウェア州ウィルミントンにある選挙本部にホワイトハウスの高官2人を送り込んだ。