米軍、ガザに支援物資を投下 食料3万8000食分
(CNN) 米国が2日、パレスチナ自治区ガザ地区に初めて支援物資を投下した。米中央軍によると、ヨルダン軍と共同でガザ沿岸部に食料3万8000食分などを届けた。
中央軍の発表によれば、米軍のC―130輸送機3機から66個に分けた荷物が投下された。ヨルダン軍もさらに2回投下したと発表した。
米高官は、地上で住民らが集まり、物資を配分する場面がみられたと述べた。米ホワイトハウスは今後さらに空中投下を続けると表明した。
ガザにはこれまでにヨルダン、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、英国、フランスが人道物資を投下していた。
ガザの制空権はイスラエルが掌握しているため、物資の投下には同国当局との調整が不可欠だ。
空中投下は地上搬送に比べて精度が低いという課題もある。先日ヨルダン軍が投下した食料の一部は海に落ち、現場の映像には住民らが泳いで回収する様子が映っていた。
空中投下は供給できる物資の量が少なく、象徴的な意味しか持たないとの指摘もある。国際NGO「オックスファム」のスコットポール氏は、米国がそれよりもイスラエルへの武器供給を停止し、同国に物資搬送の妨害をやめるよう要求するほうが効果は大きいと主張した。
ガザでは支援物資の搬入が停滞し、人道状況が悪化している。搬入ルートの検問所2カ所のうち、エジプト境界のラファが稼働を縮小し、イスラエル側のケレムシャロームでは人質解放を求めるデモ隊が妨害を繰り返すなか、イスラエルは検問所の追加を拒否し続けている。