中国・前重慶市書記の妻、英国人毒殺を認める
(CNN) 中国重慶市書記を解任された薄熙来(ポー・シーライ)の妻、谷開来被告(53)が英国人実業家ニール・ヘイウッド氏(当時41歳)を殺害した罪に問われている裁判で、谷被告はヘイウッド氏を毒殺したことを認めた上で、犯行当時、神経衰弱の状態にあったと語ったことが新華社通信の報道で明らかになった。
新華社の10日の報道によると、谷被告はヘイウッド氏殺害容疑を否定しなかっただけでなく、息子の命が危険にさらされていると思い込み、ヘイウッド氏を毒殺したことなど、訴状に書かれている事実を全面的に認めたという。また薄一家の使用人で、共犯とされる張暁軍被告も犯行を認めた。
裁判では事件に至った経緯や事件当時の詳しい状況が明らかになった。
2005年に谷被告と息子の薄瓜瓜氏と知り合ったヘイウッド氏は、中国における土地開発計画に参画したが、計画は実現しなかった。それがきっかけで両者の関係が悪化し、ヘイウッド氏は薄瓜瓜氏の身の安全について脅迫するようになったという。
息子の身の安全を案じた谷被告は、重慶市内のホテルにヘイウッド氏を呼びだし、ホテルの一室で酒を飲んだ。その後、ヘイウッド氏が酔って水を求めた際に谷被告は外で待機していた張被告から毒物を受け取り、ヘイウッド氏をベッドに寝かせ、毒物を飲ませたという。
また、捜査当局者が取調べ記録の改ざんや証拠隠滅などにより、谷被告が事件現場にいなかったかのように偽装工作をしていたことや、ヘイウッド氏の親族に自分たちの出した結論を受け入れるよう説得し、ヘイウッドの遺体を解剖せずに火葬したことも明らかになった。