中国・前重慶市書記の妻、起訴内容に異議唱えず 英国人毒殺事件
中国・合肥(CNN) 中国前重慶市書記を解任された薄熙来(ポー・シーライ)の妻、谷開来被告が英国人実業家を毒殺したとして起訴された事件をめぐる9日の初公判で、谷被告は起訴内容に異議を唱えなかった。裁判関係者が伝えた。判決は後日言い渡される。
公判は東部の安徽省合肥市の裁判所で開かれた。
裁判では、同被告と薄一家の使用人だった張暁軍被告が共謀して英国人実業家ニール・ヘイウッド氏(当時41歳)を昨年11月、重慶市内のホテルで毒殺した罪が追及された。
薄氏は今秋の共産党大会で最高指導部入りが有力視されていた人物だけに、今回の裁判は近年では最大の政治的醜聞となった。10年に1度の指導部交代を控えた共産党にとって党内の動揺を抑えた結束を新たに迫られる試練の事件ともなっている。
カナダのアルバータ大学の中国問題専門家は今回の裁判は単なる刑事裁判以上の意味を持つと指摘。書記ポストや党の職をはく奪された後、重大な規律違反で調べを受けている薄氏の将来を握る裁判にもなると述べた。
被告2人は先月殺人容疑で起訴された。国営の新華社通信は両被告の犯罪の事実は明瞭とし、証拠は反論出来ない確かなものでもあると伝えていた。
新華社によると、谷被告と息子の薄瓜瓜氏は経済上の利害を巡ってヘイウッド氏と衝突。同被告はヘイウッド氏が息子の身辺の安全を脅かすと考え、家族の使用人の男性と共に毒殺したと伝えた。
裁判が重慶市から1200キロ以上離れた合肥市で開廷したことについては、薄氏の影響力が及ばない場所を選んだとの見方が出ている。