リビア国民評議会、国民議会に権限を移譲
トリポリ(CNN) リビア国民評議会は8日、首都トリポリの会議場で式典を開き、7月の選挙で選ばれた国民議会に権限を移譲した。故カダフィ大佐が1969年に実権を握って以来初めて、自由選挙で誕生した議会が発足する。
式典では国民評議会のムスタファ・アブドルジャリル議長が文書に署名し、マイクに向かって「憲法に基づく国家運営の権限」を引き渡したと発表。この瞬間から国民議会が「リビア国民を代表する唯一正当の機関となる」と宣言すると、会場は総立ちになり、大きな歓声が上がった。内戦のスローガンだった「殉教者の血を無駄にはしない」と叫ぶ人や、涙を流す人もいた。
アブドルラヒム・キーブ暫定首相は感極まった様子でジャリル議長と抱き合い、国民議会の議員200人が宣誓就任した。国連のイアン・マーティン事務総長特別代表は笑顔で式典を見守った。
議会ではまず議長と副議長を選出し、招集から30日以内に首相を選出する。招集の日時はまだ明らかになっていない。
ジャリル議長は議会に対し、同国の治安回復や武装解除には大きな困難が伴うと指摘した。カダフィ政権打倒に加わった武装集団は政府から離れて活動を続け、5日には北部ミスラタにある赤十字国際委員会(ICRC)の建物が襲撃される事件も起きた。トリポリやベンガジでは爆弾が爆発する事件も相次いでいる。