米俳優ジーン・ハックマンさんは自然死、妻は数日前にハンタウイルスで死去か 検視当局
(CNN) アカデミー賞受賞歴を持つ米俳優ジーン・ハックマンさん(95)がニューメキシコ州サンタフェの自宅で遺体で見つかった件で、地元検視当局の責任者は7日、記者会見を開き、自然死だったとの見解を示した。
ハックマンさんは高血圧症や動脈硬化性心疾患、アルツハイマー病を患っており、これが「大きな要因になった」という。
ハックマンさんの遺族の報道担当者は以前、CNNの取材に、アルツハイマー病との報道は「まったく事実ではない」と述べていた。
責任者によれば、遺体の検視の結果、「体内および体外の外傷を示す急性所見」は認められなかった。
死後のCT検査で「深刻な心疾患をうかがわせる」形跡が見つかったといい、具体的には心臓にかかわる複数の手術や過去の心臓発作の証拠、慢性高血圧症による腎臓の深刻な変化を挙げた。
責任者はこれに先立ち、サンタフェの自宅でハックマンさんとともに遺体で見つかった妻、ベッツィ・アラカワさんについて、ハンタウイルス肺症候群が原因で死亡した可能性が高いとの見解を示していた。
ハックマンさんの遺体についてもハンタウイルスや新型コロナウイルス、インフルエンザなど呼吸器系ウイルスの検査が行われたが、いずれも陰性だったという。
責任者によれば、ハックマンさんは妻が数日前に亡くなったことを「認識していなかった」可能性がある。ハックマンさんには「進行したアルツハイマー病の兆候が認められた」という。
ハックマンさんが妻の死後も自力で生活し続けられたかどうか問われ、責任者は「普段の生活能力がどの程度だったかは分からない。健康状態は非常に悪かった。深刻な心臓疾患を抱えており、これが最終的な死因になったと考えられる」と説明した。
また、脱水症状の証拠は認められなかったものの、胃の中に食べ物がまったく残っておらず、「最近食事していなかったことを意味する」と指摘した。
アラカワさんの生存が最後に確認されたのは2月11日。地元保安官によると、地元の薬局やドッグフード店を訪れた後、厳重に警備された自宅に戻る様子が監視カメラに映っていた。アラカワさんがメールでやり取りしたのも11日が最後だった。
検視責任者によれば、ハックマンさんはおそらく、ペースメーカーが最後に心拍を記録した18日に死亡したとみられる。
「状況から判断すると、アラカワさんが先に亡くなったと結論づけるのが妥当だ」と責任者は指摘している。