シリアで武力衝突、200人超死亡と人権団体 アサド政権崩壊後で最悪
シリアで武力衝突、政権移行後最悪の事態に
(CNN) シリアで昨年の政権移行後最悪となる武力衝突が発生し、数百人が死傷した。人権監視団体が明らかにした。
アサド前大統領の支持者らと治安部隊による衝突が6日、地中海沿岸のラタキア、タルトゥス両県で発生した。これらの地域ではイスラム教シーア派の分派とされるアラウィ派がアサド氏を強く支持していた。過去3カ月間には宗派の対立による暴力も複数発生している。
6日以降の衝突で、これまで225人以上が死亡した。在英の独立系人権監視団体、シリア人権ネットワーク(SNHR)が7日に明らかにした。
SNHRによればシリア政府の「治安要員」少なくとも100人が死者に含まれる。これに対し市民の死者は125人だった。シリア国防省と内務省の合同部隊が「ラタキア、タルトゥス、ハマの各県にある数十の村落で大規模な治安作戦を遂行した」という。
CNNはSNHRの数字を独自に確認していない。死者数に関してはシリア政府にコメントを求めている。
アサド氏の家族は少数派のアラウィ派に属し、シリアを50年以上にわたって統治してきた。アサド氏は昨年末、イスラム教スンニ派の武装勢力により失脚させられた。武装勢力はシリアの政治的、宗教的序列の再編を目指していた。
人口の10%程度のアラウィ派は昨年12月以降、多くが武器を捨てて降伏したが、依然として武装し、新政権に反発する勢力も存在する。