仏・イスラム教徒衝突事件で調査委員会設置 ミャンマー
(CNN) 6月にミャンマー西部ラカイン州で仏教徒とイスラム教徒が衝突し、60人以上が死亡、数千人が家を追われた事件を受けて、ミャンマー政府はこのほど、調査委員会の設置を発表した。国営メディアが伝えた。
調査委員会は人権活動家や少数政党の関係者、企業家、政府高官、宗教的指導者など、多様なグループから構成される。同国のテインセイン大統領は、外国人を含まない独立した調査委員会の必要性を強調した。
国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、「この委員会は、同国の国民を横断的に代表するものだ」として、設置を評価する声明を出した。
ラカイン州では今年6月、イスラム教徒の若者3人が仏教徒の女性を暴行、殺害したとして拘束され、1人が自殺、2人が死刑宣告を受けた事件をきっかけに、イスラム教徒と仏教徒の対立が深刻化していた。
政府によると、これまでに少なくとも62人が死亡、家屋数千棟が破壊された。政府は同州に非常事態宣言を出し、軍を出動させている。民族間の和解を掲げるテインセイン政権にとって、大きな課題となっていた。
ラカイン州にはイスラム系少数民族ロヒンギャ族などが居住し、長年にわたりミャンマー軍から迫害を受けてきたとされる。